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TOKIORI

心地よい暮らしや理想的な働き方を模索する。

「怒り」これが日本の映画だ。


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どうも、佐田真人(@mst727)です。

昨日、映画「怒り」を観てきました。

妻夫木聡や綾野剛、宮崎あおい、渡辺謙、松山ケンイチに加えて森山未來に広瀬すず、日本の名だたる役者が、主演を演じています。

原作は吉田修一、監督は李相日、そして映画プロデューサーは川村元気と、名前を観ただけで一度観てみようと思われる方も多いと思います。

上映後、ただただすごいものを観てしまったと、感傷に浸ってしまいました。今日その感想をネタバレのない範囲内で書いてみようと思います。

前情報なしに観たい方は、鑑賞後読んでいただけると幸いです。

画像引用元:「怒り」初解禁の本編映像も、坂本龍一×2CELLOSによる主題曲MV公開 - 映画ナタリー

 

「怒り」のあらすじ

まずは簡単に「怒り」のあらすじと解説を、公式サイトから引用させていただきます。

【あらすじ】

ある夏の暑い日に八王子で夫婦殺人事件が起こった。
窓は締め切られ、蒸し風呂状態の現場には、「怒」の血文字が残されていた。
犯人は顔を整形し、全国に逃亡を続ける。その行方はいまだ知れず。
事件から一年後。千葉と東京と沖縄に、素性の知れない3人の男が表れた。

【解説】

-上略-
愛した人は、殺人犯なのか?
家族や友人、ときに愛する人でさえ、
簡単に疑ってしまう不信の時代に、
本作は"信じる"とは?という根源的な問いかけを
一つの殺人事件をきっかけに投げかける感動のヒューマンミステリーである。

引用元:映画『怒り』公式サイト

あらすじを見る限り、一見サスペンス映画だと思われがちなのですが、実際は解説の通り、一人一人の疑心や確信といった様々な感情を、繊細に描いたヒューマン映画です。

2時間半と映画の中では長い部類に入る今作ですが、映像の切り替わりのタイミングや音楽の強弱といった力強さ、そして俳優の表現力。

それら全てが合わさりテンポよく物語が進み、時間の長さを感じさせませんでした。終盤にかけては息吐く暇もなく、鳥肌を立てながら最後のエンドロールまで観入ってしまいました。

 

「怒り」を観た直後の感想

日本の映画は、シリアスなものを題材にすると、どうしても全体的に重くなってしまう印象があります。

観終わった後にドッと疲れてしまうあの感じがあまり慣れないんですよね。行き場のないモヤモヤがずっと残ってしまうあの感じが。

そんなこともあり邦画を見る際は、重い腰を上げてやっと観るというのが恒例だったのですが、今回の「怒り」はすこし違いました。

出演している豪華な俳優陣が気になったのはもちろん、「信じる」という人としての本質的な問いをテーマにした映画の内容が、とても気になったのです。

そして実際に観終わったあと、いろいろな言葉が浮かんでは消えていくような、とにかくこれが日本の映画なんだと思わずにはいられないものでした。

 

3つの物語をつなぐもの 

舞台は東京・千葉・沖縄を舞台にした3つの物語からなり、決して最後まで繋がることがありません。

しかしそれらを通して、もっと人としての根源的な「信じる」ということただ一点を、様々な形で訴えかけてくる。

サスペンスやミステリーのような、最初は犯人が誰か推測していくような面白さもあるのですが、途中からそんなことはどうでもよくなり、もっと人としての根本的な部分に引き込まれてしまいます。

疑うことは容易く、信じることは難しく、そしてどちらもあまりにも脆い。信じるで見えてくるものもあるし、疑うことで見えてくるものもある。

決して自分たちとは感覚的に遠くないことを題材にしているからこそ、観ていてとても苦しくなる。

しかし行き場のない苦しさではなく、最後は涙となって流れていくような、そんな美しい映画でした。

その怒りの矛先は誰に向けたものなのか。

他人に向けられたものなのか。

それとも自分に向けられたものなのか。

ぜひ「怒り」の中で見届けてもらえたらと思います。

 

 

最後に

「映像の切り替えのタイミングや音楽の強弱が時間を忘れさせた」と冒頭に書きましたが、その映像の絶妙な切り替わりは、3つのストーリーが同時に進んでいたからでしょう。

これに関しては隠居系男子の鳥井さんが詳しく書かれていました。今回は余談になってしまうので、気になる方は是非読んでみてください。

参照:「複数のタイムライン」でストーリーが展開される映画が今持て囃されているというお話。 | 隠居系男子

映画「怒り」。ショッキングな映像も多く、賛否両論分かれる作品だと思います。ただもし気になった方は、何も予定のない日に一人で観ることをオススメします。

「一回目は苦しい。二回目観たら、次はどう感じるのだろう?」

そんなことを考えながら、またすこし時間が経てば観てみたいと思う、今日この頃です。

今日はこれにておしまい。
それではまた!